商品やサービスの差別化を成功させるために必要不可欠なブランディングですが、ブランディングには2種類のブランディングがあります。
それが、アウター向けブランディングとインナー向けブランディングです。
これは顧客と社内のスタッフに向けたブランディングの違いなのですが、どちらも商品やサービスをブランディングしていく上で必要なものです。
今回は、項目別にブランディングを高める施策を紹介します。
アウター向けブランディング
アウター向けブランディングとは社外の顧客に向けて行うブランディングです。
顧客が目にする商品やサービスのロゴ・デザイン・ポスターなど、消費者が目にするものを1つのブランドイメージとして統一することによってブランドとして認知してもらうことができます。
ここではアウター向けブランディングの具体的な施策を説明していきます。
ブランド広告
ブランドの世界観や提供する価値について理解を深める広告の作成・掲示する方法です。
商品の販売や販促を目的としたものではなく、ブランドに特化して作られた広告です。
顧客にブランドイメージを認知してもらい、価値を理解してもらうことによって商品やサービスの付加価値をアピールすることができます。
企業が商品ではなく、企業自体の広告としてブランド価値を認知してもらうためにブランド広告を出すことが多くあります。
ブランドを再規定した場合にも顧客に認知してもらうためにブランド広告を出すことは有効な手段です。
定期的に発信し続けることによってブランドの認知と理解を継続することが必要です。
広報・IR活動
新商品や新しいブランドの発表や制度が変わった際に、ブランドが提供する価値にふさわしい内容のニュースを連動させて発表する方法です。
新しいブランドの内容にふさわしいニュースがある場合、戦略的にスケジュールを調整して連動させます。
新しいブランドの発表に関連するニュースが発表されることにより、ブランドが発信しているメッセージをより信憑性の高いものにしてくれます。
単独で新商品や新しいブランドの発表をするよりも顧客の印象に残りやすく、さらに新しいブランドを浸透させることができます。
ブランドサイト
ブランドのPRサイトを開設する方法です。
ブランド広告や広報活動を通して、ブランドに興味を持った顧客により詳細な情報を取得できる場所として提供します。
ブランド広告や広報活動よりも、ブランドの価値の提供内容を具体的に表現することが可能になります。
ブランド広告やPR活動よりも深くブランドを知ってもらうことにより、ブランドへの認知を高めることができます。
顧客のブランドに対する認知が高まった結果、商品やサービスの購入意欲の上昇が期待されます。
ブランド広告や広報活動と連動を強化するとより、顧客のブランドの認知を高めることができます。
イベント・展示会
イベントや展示会を開催・出店することにより顧客に直接ブランドの世界観や提供する価値について伝える方法です。
実体験をして、直接ブランドを肌で感じてもらうことにより顧客にブランドを理解してもらうことができます。
直接肌でブランドの世界観やブランドが提供する価値を理解してもらうことで、ブランドへの理解だけではなく愛着を深めてもらうことが期待できます。
特にBtoB(企業が企業にモノを売る)の企業にとっては法人顧客に対してブランドを知ってもらい、理解してもらうきっかけとして最適です。
対面で顧客にブランドの説明をすることができ、新たな顧客獲得の場所になる可能性も高いです。
旗艦店
ブランドの世界観やブランドが提供する価値を表現した抽象的な店舗を設置する方法です。
ブランドのシンボルとなる店舗になり、都心部などの一等地にある路面店や商業施設内の大型店を旗艦店とすることが多くあります。
ターゲットの目に触れる機会も多く、ブランドの浸透・販売戦略において重要な役割を果たします。
店舗の規模が大きいのでブランドの世界観を伝えやすく、積極的な商品提案を行う役割もあります。
今までブランドに触れる機会がなかった人にブランドに触れ、知ってもらうことができ、新たな顧客獲得が期待できます。
インナー向けブランディング
インナー向けブランディングとは社内の従業員に向けて行うブランディングです。
従業員がブランドの歴史や理念・今後のビジョンを知り、自ら考えていくことによって、生み出し販売するサービスや商品の品質を上げることができます。
トップキャラバン
代表取締役社長などを始めとする、経営者のトップ層が従業員に直接説明する方法です。
ブランドイメージに関わる歴史や理念だけではなく、ブランディングを行う背景や目的についても説明を行い、従業員のブランドの認知と士気を高める効果が期待できます。
新しいブランドを設立した際には特に有効で、生まれたばかりのブランドのイメージを正しく共有することができます。
普段、従業員が直接関わることの少ない経営者のトップ層が直接説明をすることにより、スタッフが参加することの重要性がより伝わります。
ブランドブック
社内スタッフ向けに作られた、ブランドの説明が書かれている小冊子を配布する方法です。
ブランディングを行う必要性と目的・ブランドが提供する価値や社内での具体例を記載し、経営トップからのメッセージ(想い)を入れることによりブランディングの必要性からブランドの価値まで知ってもらうことができます。
イラストや画像・文章を使って伝えることができるので視覚的にも印象に残りやすく、ひとりひとりが自分のペースでブランドに対する理解を深めることができます。
社内ポスター
商品やサービスに愛着を持ってもらうために社内ポスターの作成・掲示をする方法です。
社内スタッフがよく通る場所に社内ポスターを掲示してブランドイメージを定着させることができます。
社内ポスターはメールや会議などの一時的な告知とは異なり、日常的に目に触れるようにすることができるので、繰り返し社内スタッフにブランドイメージを伝える機会を作ることができます。
日々ポスターを見ることによってブランドイメージを認知させ、記憶に残すことができます。
しかし、せっかく作成した社内ポスターも、貼りすぎてしまうと不快感をもたらすこともあるので適度な枚数の設置になるようにしましょう。
ブランド研修
社内スタッフに対してブランド研修を行う方法です。
新しいブランドを立ち上げた際には特に有効な手段で、社内スタッフが一丸となってブランドに対して共通の認識を持つことができます。
新しいブランドを立ち上げた場合以外にも、新人研修・中堅研修・管理職研修など、経験や役職に合わせた研修の中にブランド研修を取り入れることによって、経験や実力に合わせたブランドに対する取り組みを強化することができます。
研修では一方的な情報提供だけではなくディスカッションを取り入れることによって社員自身もブランドのことを自発的に考える機会を作ることができます。
コンテスト
ブランドに対する新しいアイディアや取り組みを募集するコンテストを開催する方法です。
従業員のブランドに対する自発的な参加意識を高めることが期待できます。
コンテストを開催することによって、通常の業務内以外にブランドに対して改めて考える時間を作ることができ、ブランドの浸透が進みます。
またコンテストにすることによって会社が求めていることが明確化するので、従業員の行動がシンプルにブランド理念に対して進んでき、従業員のモチベーションを高める効果が期待されます。
ブランドの提供価値を体現した事業活動を実現した人の表彰を行うことも有効な手段です。
まとめ
アウター向けブランディングとインナー向けブランディングを行うことによって、顧客と従業員双方から愛されるブランディングを行うことができます。
ブランディングにおいて、ターゲットは顧客と従業員で、両方に浸透させることが必要です。
ブランディングを高める施策を行ってブランディングを味方につけていきましょう。