商品やサービスを売り出す際に重要な要素の一つが、「キャッチコピー」です。
キャッチコピー次第で、消費者にインパクトを与え、より効果的に商品を売り出していくことができます。
良いキャッチコピーとはどのようなものか、また、どうすれば良いキャッチコピーを作ることができるのかを考えていきましょう。
良いキャッチコピーとは
では、”良いキャッチコピー”とは、どのようなものでしょうか。
企業や商品の良さが受け手に伝わる
まず、「企業や商品の良さが受け手に伝わる」ことがキャッチコピーの必須条件です。
意味が理解できないものや、魅力が伝わらないものは、ふさわしくありません。
また、私も経験があるのですが、カッコいい言葉や自分自身がうっとりしてしまうような言葉を作ってしまう傾向がありますが、あくまでもキャッチコピーを見る人は誰なのか?という視点を忘れないようにしなければなりません。
人々に強い印象を与える
その上で、「人々に強い印象を与える」コピーは、“良いキャッチコピー”と言えます。
耳に残る語呂の良さや、「なるほど」と思わせる意外性も重要な要素です。
商品の良さが伝わり、人々の記憶に残り、かつ思わず口に出したくなるようなコピーを考えられれば、商品の魅力をより多くの人に伝えられるでしょう。
キャッチコピーの影響範囲
キャッチコピーは、見る人・聞く人に影響を与えます。
キャッチコピーに影響された消費者は、企業に対する関心を持ったり、商品を買ったりという具体的なアクションを起こす可能性があります。
また、広告を見た人がつい口に出したくなるようなキャッチコピーは、想定より多くの人に影響する場合もあります。
例えば、東進ハイスクールのテレビCMで使用された、「いつやるの? 今でしょ!」というフレーズは、2013年の流行語大賞に選ばれるなど、国民の間で大流行しました。
このように、想定していたターゲット層を超えて流行を引き起こすものでもあるのです。
キャッチコピーは、商品の売り上げ、ひいては企業の業績にも作用します。
良いキャッチコピーが大ヒット商品を生み出すこともあれば、できの悪いキャッチコピーのせいで売り上げが下がることもしばしばです。
参考になるか分かりませんが、株式会社Academia linksのキャッチコピーは、「アナタをよりアナタらしく」というキャッチコピーです。
その企業のありのままの姿で価値を最大限に高めたいという想いが込められています。
キャッチコピーのルール
キャッチコピーを作るにあたって、押さえておきたいポイントは3つです。
簡潔にする
1つ目は、できるだけ簡潔にすることです。
キャッチコピーは、人の興味を惹きつけることが重要なため、本当に伝えたいポイントだけに絞るようにしましょう。
誰もが理解できる
2つ目は、誰が見ても理解できることです。
自分が「うまいコピーを作った」と思っても、見た人に理解してもらえなければ意味がありません。
専門用語や外国語を用いると分かりにくいため、なるべく馴染みのある言葉を使うよう心がけましょう。
読み手の共感を誘う
3つ目は、読み手の共感を意識することです。
ただ自己主張をするだけでは商品の魅力が伝わりにくいため、読み手が「たしかに」と共感してくれる要素が大事になります。
基本的なルールを紹介しましたが、これらを満たしていなくても優秀なキャッチコピーは存在します。
あくまで参考として、頭に留めておくと良いでしょう。
キャッチコピーの作り方
キャッチコピーを作るにはセンスが必要と思われがちですが、特別な能力がなくとも良いキャッチコピーを作ることは可能です。
ここでは、良いキャッチコピーを作るためのフレームを紹介していきます。
まずは、「誰に、何を伝えるか」を考えます。
商品独自の魅力は何か、どんなターゲットに向けた商品なのかを明確にすることが重要です。
その上で、ターゲットに最も効果的にメッセージが伝わる方法を考えていきます。
ここでは、ターゲットが考えていることや、抱えている問題をリアルに想像することが大切です。
最初はクオリティにこだわらず、できるだけ多くのフレーズを書き出したあと、良いと思うものをピックアップしていきましょう。
キャッチコピーのチェック方法
次に、作成したキャッチコピーが効果的なものかをチェックしていきます。
まずは、簡潔であるか、誰もが意味を理解できるかを確認します。
その上で、キャッチコピーを読んだ人がどのような気持ちになるかを想像してみましょう。
そもそも、キャッチコピーを見ても素通りしてしまう場合は、インパクトが足りないかもしれません。
企業や商品のことをもっと知ってみたいと思ったり、知人に教えたくなったりするのであれば、良いキャッチコピーと言えます。
自分だけで判断するのではなく、複数の人にどう思うか聞いてみるというのも効果的な方法です。
外部の意見も参考にしつつ、ブラッシュアップしていきましょう。
発想方法
キャッチコピーの発想方法の基本は、「何を伝えたいか」を明確にし、「どう伝えるか」を考えることです。
独自の魅力を突き詰める
「何を伝えたいか」を決めるには、企業や商品の独自の魅力を突き詰めることが重要です。
他社と差別化でき、アピールできる要素は何かを考えましょう。
キャッチコピーの中で伝えたいことは、なるべく一つに絞った方が効果的です。
メッセージを詰め込みすぎると、かえって読み手に伝わりにくくなってしまうからです。
伝えたいことが同じでも、伝え方次第で読み手に残るインパクトの大きさが変わってきます。
ターゲットの気持ちを想像する
「どう伝えるか」を考える際に大切なことは、ターゲットとなる顧客の気持ちをリアルに想像することです。
彼らの深層心理を突くことで、共感を生み、心に刺さるコピーを作ることができます。
私の場合ですと本屋に行き、立ち読みならぬ”タイトル読み”をします。
そうすると何かの言葉と何かの言葉の掛け合わせで表現されているタイトルも多く、非常に参考になります。
セルフブランディングキャッチコピーの参考事例・名作
大手企業が掲げているキャッチコピーの中で、特に秀逸なものをいくつか紹介します。
「日本を、1枚で。」
東日本旅客鉄道株式会社
交通系ICカード、Suicaのキャッチコピーです。
カード一枚で日本中の電車に乗ることができる便利さを、たった8文字の言葉で簡潔に表しています。
「Eat well, live well.」
味の素株式会社
食事から人生をより良くしていこう、という企業理念がよく現れています。
英語にもかかわらず語呂が良く、耳に残りやすいのもポイントです。
「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」
株式会社ファーストリテイリング
ユニクロを展開するファーストリテイリングのキャッチフレーズです。
抽象的なビジョンだけでなく、「服を変える」という企業の活動が示されていることで、説得力のあるキャッチコピーとなっています。
「人生は夢だらけ。」
かんぽ生命保険
日本初の民営保険会社であるかんぽ生命のキャッチコピーです。
抽象的にも思えますが、将来への希望を感じさせるフレーズが、「長生き」に関わる生命保険とマッチしています。
「電気に、本気。」
電源開発株式会社
「電気」と「本気」で韻を踏んでいて、非常に語呂が良くキャッチーなフレーズです。
電気に対して真摯に向き合う企業の姿勢が、良く表れています。
これらのキャッチコピーは、消費者に商品の良さや企業の理念をストレートに伝え、好意的な印象を抱かせます。
良い印象を持ってもらうことで、商品やサービスを選んでもらいやすくなる効果が期待できます。
ちょっと変わったキャッチコピー
最後に、一風変わったキャッチコピーを3つほど紹介します。
「一目で義理とわかるチョコ」
ブラックサンダー(有楽製菓)
思わず「たしかに!」と言ってしまいます。
安価で買えるという良さを伝えつつ、自虐的で笑いを誘うキャッチコピーです。
「髪は長い友達」
カロヤン・ハイ
育毛剤のCMに使われたキャッチコピーで、「髪」という文字に「長」と「友」という文字が含まれていることから作られました。
こちらも「なるほど」と唸ってしまう秀逸さがあり、同時に自分の髪を愛おしく思えます。
「 二兎を追うものだけが二兎を得る 」
NTTドコモ
有名なことわざ「二兎を追うものは一兎をも得ず」のパロディです。
意外性があり印象に残りやすく、企業の意欲的な姿勢がストレートに伝わります。
ユニークなキャッチコピーは、消費者の記憶に残りやすく、話題になりやすいという特長があります。
似たような商品が並んでいる場合に、キャッチコピーを思い出して手に取ってくれるかもしれません。
まとめ
キャッチコピーの役割や、良いキャッチコピーの作り方を解説しました。
インパクトがあり、かつ商品の魅力を存分に表現したキャッチコピーを作り、商品を効果的に売り出していきましょう。