ブランディングは、組織として成り立つ会社だけが行うものだけでなく、個人が積極的に行うものになりました。
その中で、セルフブランディングは、自分で自分をブランディングするという、現在のブランディングの潮流になっている方法です。
今回は、このセルフブランディングについて解説していきます。
セルフブランディング戦略の立て方と実践方法
セルフブランディングは自分で自分の立ち位置を決めていくというものです。
社会から自分がどうみられるのかを、自分で考え表現し、実現していくというものですが、間違ってはいけないのが、自分を強く見せる、すごく見せるということではないという点です。
過剰にすごく見せる、着飾ることは、セルフブランディングとしては失敗し、俗にいう「痛いブランディング」となってしまいます。
効果的かつ実効性の高いセルフブランディングを行っていく手順を、以下で紹介していきます。
STEP1:自己分析
まず大切なのは、己を知るということです。
自分自身がどういう人間なのか、ターゲットとする市場の中で、秀でている部分はどういう面なのか、どのように見られていきたいのか、こういった内容を細かく考えていきます。
ここでは「かわいい」「かっこいい」「強い」といった抽象的なイメージではなく、「口元がかわいい」「サッカーをしている姿がかっこいい」「金融情報に強い」といったように、具体的に何がどう良いのかを考えていきます。
箇条書きでも、メモでもかまいません。
考えられる限りの自分の特徴を書き出し、自分という人間がどういったものなのかを細分化して考えていきます。
中にはデメリットに感じられる部分もありますが、そういった部分の中に、自分の武器が隠れていることもあります。
全ての側面から、自分を洗い出し、分析していきましょう。
STEP2:ターゲットの選定
自己分析が終わったら、ターゲットを選定していきます。
これは、自分がどういった市場の中で、ブランドとして輝きたいのかを決めていく作業です。
つまりは、自分を必要とする人は、どこにいるのか、その場所を特定して、自分を売り出していくステージを作ります。
世界中に多くの人がいる中で、やみくもに「自分はこういうものです」と言っても、興味のない人には全く響きません。
自分の訴えが響く市場を見つけ出し、その市場の中で究極的な高い価値になっていくことが、セルフブランディングの最終地点となります。
広く浅くではなく、深く狭く、しっかりとターゲットを絞っていきましょう。
STEP3:発信方法の策定
自分はこういう人間だ、だからこの市場で高い価値を有するというところまでが決まれば、その情報を発信していきます。
この発信する方法にも工夫が必要になります。
高度情報化社会と呼ばれる現代では、人が情報にあふれて生活をしています。
必要であっても不要であっても、様々な情報が流れ込み、情報の取捨選択だけで人は疲れてしまうのです。
また、情報リテラシー教育が行き届いていない世代が多く、正しい情報と誤った情報を見分けられなかったり、増えすぎる情報を精査できずに生活している人も多いのです。
そのような中で、セルフブランディングの貴重な情報を発信する方法は、しっかりと戦略を練って決めていかなければなりません。
ソーシャルネットワークサービス(SNS)が発達し、誰もが発信者となれる時代では、SNSをやみくもに使用するだけでは、ブランド情報を届けることはできません。
自分がターゲットとした人の層、企業の層が多く利用しているSNSを使用することは当然ですし、情報発信をする時間帯を定めることも重要でしょう。
また、その情報の全てをオープンにするのか、一部をクローズ化して情報の受け手が積極的に情報を取りに来る仕組みを作り出すのかなど、発信方法の策定にはしっかりとした戦略が必要となります。
STEP4:実行検証
最後に行うのが、セルフブランディングの実行検証です。
これは、自分が作り上げたブランドと、市場が認識したブランドに差異が無いのか、しっかりと伝わっているのかを検証するのと同時に、そのブランドが市場にとって必要とされているのかを再考する場面でもあります。
特に後者の検証は、今後のセルフブランディングの成功と失敗を左右する重要なものです。
ここを見誤ると、先にも上げた痛いセルフブランディングに突き進んでいくことにもなりかねません。
セルフブランディングは、自己顕示欲を満たすためのものではなく、市場にその価値をわかりやすく伝え、価値を認識し、自動的に価値を創造して、選んでもらうための方法です。
自分だけの独りよがりな考え方を、市場に押し付ける方法ではありません。
市場の反応が芳しくない、効果が少ないと感じたら、セルフブランディングを再構築し、時代の潮流やニーズに合わせて変化させていくことも必要になってきます。
セルフブランディングの成功事例
YouTuber HIKAKIN
ここ数年で、大きく規模を拡大し、今や子供のなりたい職業の上位常連となっているユーチューバーは、セルフブランディングで成功している人がたくさんいます。
中でもユーチューバーの先駆者であるHIKAKINさんは、セルフブランディングの成功者でもあります。
元々は、スーパーマリオのゲームミュージックをヒューマンビートボックスで演奏している動画が話題となって有名になりました。
ヒューマンビートボックスはHIKAKINというイメージを、世の中に定着させ、ファンを増やし、現在では面白動画などでも話題をさらっています。
セルフブランディングを深く狭い分野から、だんだんと形を変えて広げていったいい例です。
俳優 細川茂樹
ドラマや映画で活躍していた細川さんですが、一時は家電に詳しい人というイメージでバラエティー番組などにも広く出演していました。
堅い、真面目、硬派などの男性俳優のイメージを自ら壊し、元々自分の知識が多かった家電という分野に着目して、セルフブランディングを進めていき、成功した例です。
この他にも、ツイッターやインスタグラムで多くのフォローを集める有名人、イケハヤ、ヨッピーに代表されるブロガーなどには、セルフブランディングの成功例が数多く存在します。
おすすめのセルフブランディング本
『自分1人、1日でできる パーソナルブランディング』
草間淳哉 著
https://www.amazon.co.jp/dp/4495539310/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_SamvEbNXKS9CA
『クリエイターのためのセルフブランディング全力授業』
青山裕企 著
https://www.amazon.co.jp/dp/4768309461/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_2emvEbS7VZ0R6
まとめ
情報に溢れた現代社会の中で、自分の価値を社会に知ってもらうために必要なのがセルフブランディングです。
しっかりとしたセルフブランディングのやり方を知り、自分の魅せ方を考えてみてはいかがでしょうか。