ブランディングは、企業を効果的に売り出す上で欠かせない手順です。
しかし、いざブランディングをするときに、どんなことに気を付ければ良いのだろうかと、疑問に思ってしまうことも多いのではないでしょうか。
今回は、ブランディングを実施する上で大切な7つのことを紹介していきます。
ブランディングを実施する上で大切なこと
ブランディングを実施する上で、大切にしていくことは、次に挙げていく内容です。
一つ一つをしっかりと意識しながらブランディングを進めていくことで、大きな効果を発揮することができるでしょう。
ブランディングの目的を明確にする
ブランディングをするにあたって、まずはブランディングの目的を明確にすることが大切です。
ブランディングの成功は、顧客に「この商品といえば〇〇」といったイメージを持ってもらうことです。
似たような商品が乱立していても、「このブランドの商品だから買う」というように顧客がファン化し、継続的に購入してくれれば、安定的な売上を得ることができます。
また、新商品を発売した際にも一定の売上が見込める、ブランドの付加価値を価格に上乗せできるなどのメリットがあり、ブランディングは収益に直接的に貢献します。
例えば米国アップル社のヒット商品iPhoneは、機能的に見れば他のスマホ機種と比べて格段に優れているわけではなく、値段も比較的高いにも関わらず、スマホの中で圧倒的なシェアを誇っています。
これは消費者が「iPhoneだから買う」というように、ブランドのファンになっているからです。
ブランディングが成功し売上に繋がっている良い例です。
市場の動きを知る
市場の動きを知ることは、ブランディングをする上でとても重要です。
いくら自分たちが良いと思うブランディングをしても、戦う市場自体が縮小していたり、成長する見込みがない場合は成功を収めるのが難しくなるからです。
現代において「高級感のあるガラケー」を発売したらどうでしょうか。
ブランディングが効果的か否かに関わらず、ガラケーの市場は年々縮小しているため、大きな成果を上げることは難しいでしょう。
このように、ブランディングが成功するためには、市場で何が求められているのか把握する、マーケティングがしっかり行われていることが前提となっています。
市場調査をしっかりと行い、市場の動きを常に把握しながら戦略を練るようにしましょう。
競合の動きを知る
競合企業から頭一つ抜き出るためには、競合の動きを知ることがとても大切です。
商品のコンセプトや広告の出し方など、一つ一つの施策にどのような意図が込められているか分析することは、戦略を考える上でとても参考になります。
特に、ライバルが新たな事業を始めたり、ある分野から撤退したりといった大きな行動に出た場合は、自社の立ち位置を捉え直して、次の一手を検討する必要があります。
また、ブランディングを進めていくうえで、自社の目標とするブランディングと似たブランディングを行っている企業が、市場の中に既にある場合は、ブランディングが難しくなってしまいます。
ブランディングを考える際には、同じカテゴリーにいる競合企業のブランディング戦略を分析し、他社と被らないポジションを見つけるようにしましょう。
市場や競合の動きを知るにはマーケティングの知識も必要になります。
【初心者向け】ブランディングとマーケティングの違いにまとめているので、こちらも一読してみてください。
アイデンティティやパーソナリティを確立する
ブランドアイデンティティとは、「自社のブランドはこうありたい」というビジョンを言葉で明確に表すことです。
ビジョンを言葉で表すことで、社員の間でイメージを共有することができ、各部署が方向を合わせて連携していくことができます。
ブランディングを対外的な物だけでなく、組織の内側に向けて行っていくことも重要なポイントです。
近年では、ブランドを一人の人格(パーソナリティ)に見立てて考えることが一般的になっています。
ブランドを人間に見立て、ブランドの性格、魅力、強みと弱みなどを設定していくことで、消費者にとって親しみやすいブランドを作ることができます。
ロゴやパッケージ、広告、Webサイト、SNSの公式アカウントなどでパーソナリティを表現することで、消費者に一貫したイメージを与えることを意識していきましょう。
その方法はセルフブランディングの手順を徹底解説!でも解説しています。
適切な相手に届ける
ブランディングをする上で、「誰に届けるのか」ということは、必ず意識する必要があります。
どのような顧客をターゲットとするかを決める、ターゲティングには、しっかりと時間をかけましょう。
ターゲティングの際に重要なのは、ターゲットとする顧客のステータスをできる限り詳細に想定することです。
性別や年齢だけでなく、職業、趣味、収入、家族構成などを細かく設定し、ターゲットから熱狂的に愛されるブランドを作ることを意識しましょう。
ターゲットを絞ると売上が減少するのではないかという不安に駆られますが、ターゲットを絞ることは他の顧客を切り捨てるという意味ではありません。
ターゲットを絞ることで、ブランドのコンセプトが明確になり、ブレないブランドを作ることができるのです。
その結果、自分たちがターゲットとして想定していなかった層の顧客にも魅力的に映るブランドとすることができるのです。
効果検証する
ブランディングを行う際は、一つ一つの施策が売上にどれくらいの影響を与えているかを検証することが大切です。
施策を考えて実行に移すだけで振り返りをしなければ、実際にどのような効果があったか分からず、ブランディングが成功したか判断できないからです。
ビジネスにおいてよく使われる、「PDCAサイクル」という言葉があります。
「Plan(計画)→Do(実行)→Check(検証)→Action(改善)」の頭文字をとったものです。
ブランディング活動においても、これらの4ステップを繰り返し行い、改善を重ねていくことが大切です。
ブランディングの効果検証の方法については「ブランディングの効果測定指標とその方法」を参考にしてみてください。
痛いブランディングになっていないかチェックする
ブランディングの方針を決めたら、痛いブランディングになっていないかチェックしましょう。
どんなに素晴らしいビジョンを語り、格好良いロゴを作ったと思っても、それを求めている消費者がいなければ、「誰からも見向きされない痛々しいブランド」になってしまいます。
例えば、商品の性能を誇張して表現したり、誰からも共感されないコンセプトの商品を開発したりすると痛々しく見えてしまいます。
自社のブランドを愛するのはとても良いことですが、消費者の視点を忘れると、ただの自己満足になってしまうのです。
自社のブランディングを、常に客観的な視点で見ることを心がけましょう。
まとめ
今回は、ブランディングを考える際に大切なこと7つを紹介しました。
自社のブランディングを考える際は、今回あげた項目を意識して戦略を考えていきましょう。